不動産売買の知識

安全な取引を行うための(1.購入計画2.事前計画3.物件調査4.契約締結5.決済引渡)の5つのステップ!!

購入計画 しっかりしたプラン作りから

1.どんな場所の、どんな家に住みたいですか。
交通の便、買物・学校・病院・公共施設などの利便施設、住環境、地域の発展性など・・・。どこに重点をおきますか。
一戸建住宅にしますか?マンションにしますか?新築ですか?中古ですか?広さや間取りは、将来のこともよく考えましょう。
2.予算は?どれだけの返済が可能ですか。
必要な資金は、購入資金だけではありません。登記費用、火災保険料、ローン保証保険料、不動産所得税などの税金、引越費用、媒介報酬(手数料)など最低限かかる費用と照明器具、カーテン、家具の買換え、その他いろいろな費用がかかることに注意が必要です。
資金計画は、堅実に、余裕を持たせていきたいものです。金融機関等からの借入計画は、借入可能額ではなく将来にわたって返済可能な額にすることが大切です。
3.買換えのときは。
買換えのとき、つい購入物件に目がいきがちですが、手持物件は売却できますか?仮に「購入」を先行するにしても「買換え特約」は入れてありますか。

事前調査 情報の選択は慎重に

1.よい広告の選び方。
住宅の購入を計画するときは、まず多くの情報を収集することから始めましょう。情報は、新聞広告・折込チラシ・住宅情報誌・インターネット・店頭広告などから収集できます。しかし、広告のキャッチフレーズやイメージ写真などに惑わされないよう、冷静にチェックしましょう。
2.オトリ広告に注意。
不動産広告の内容や表現の仕方などは、「不動産の表示に関する公正競争規約」により規制されています。ところが、現実には不当な広告も多く見うけられます。そのうち、特に悪質なものはオトリ広告です。
オトリ広告とは、(1)売るつもりのない物件、(2)売ることのできない物件、(3)実際にありもしない物件で客を集めることだけを目的とした広告です。
これは、広告につてれてやってきた客に「その物件はもう売れてしまいました。別の良いものをお見せします」などといって、まともに広告したのでは客がつかないような物件を言葉巧みに売りつける手口です。
不動産には「格安物件」や「掘出し物件」はありません。怪しい広告には手を出さないように心がけましょう。
3.良い広告とは。
それは、性格で情報量の多い広告です。周辺環境・利便施設・公共機関・交通(通勤・通学時間帯の所要時間など)など、生活に必要な多くの情報が掲載されているものは良い広告といえるでしょう。
4.宅建業者の選び方。
不動産取引に失敗しないためには、信用のある業者と取引することです。法令を厳守して宅建業者として義務を果たしているか、経歴はどうか、取引上トラブルはおこしてないかなどを調べて、それらの結果を総合して判断して下さい。

物件調査 自分の目と足でチェック!

1.現地調査のポイント。
(1)通常の交通機関を使って行く
自分の足で最寄駅やバス停を確認しながら、現地に行きましょう。車に乗ったのでは、交通の便や現地までの実際の距離がわかりません。
駅・バス停等から現地までの「徒歩○分」の表示は、道路距離80mを1分で計算しています。実際に何分かかるか確認してください。歩くと商店街の様子や街並みも確認できます。車の中からでは見えにくいものにも気づくでしょう。
(2)現地には二度以上行く
現地や周辺の状況は、曜日・時間・天候等によってもちがいます。雨の降る日や休日以外の日にも現地に行きたいものです。
(3)近所や地元の人にもいろいろ聞いてみる
夜間の交通・商店街の営業時間・建物の評判など、その土地に住んでいる人に聞くといろいろな情報が得られるはずです。
(4)たくさんの人と一緒に行く
家族やアドバイスしてくれる人など、たくさんの人と一緒に行くと、ひとりでは気づかないことを発見できるでしょう。
2.重要事項説明書と宅建業者の説明義務。

宅建業者は、契約する前までに、取引主任者をして、取引する物件と取引条件等について一定の重要な事項を記載した書面(重要事項説明書)を買主に交付し、説明しなければならないことになっています。
この重要事項の説明について、国土交通省は、「宅建業者は、その重要事項の説明に先立ち、あらかじめ重要事項説明の構成や各項目の留意点について理解を深めるよう、重要事項の全体像について書面を交付して説明することが望ましい。」として、業界団体にその旨通知しています。
このように、宅専業者の行うこの重要事項説明は、不動産の購入に際して大変重要なものです。
重要事項説明書は、必ず契約前にもらい、確かめたいこと、疑問のことなど遠慮なく質問し、その説明をよく理解したうえで、取引(契約)するか否かを決めましょう。

宅建業者が説明しなければならない事項については、宅地建物取引業法(以下「宅建業法」という。)35条に列挙して定められています。しかし、これらの事項以外にも、個々の取引事項によっては、買主が重大な不利益を被ることのないよう説明を受けることが必要な重要事項もあり得ます。そのような重要事項については、単に口頭で説明を受けるだけでなく、重要事項説明書に記載してもらいましょう。

3.アスベストの使用の有無と建物の耐震について。
建築物の建材に使用されたアスベスト(以下「アスベスト」又は「石綿」という。)の経年劣化や建物解体時のアスベスト粉塵の飛散による健康被害が心配され、また、耐震偽装問題により耐震強度が不足した建物が存在することが明らかになるなど、建物の安全性に対する不安と関心が高まっています。
国は、これらの国民の不安を解消するために関連法案を改正し規制を強化するなどの各種対策を行っています。不動産取引においても、宅建業法を改正(平成18年4月24日施行)し、取引に関与する宅建業者に対して、「アスベスト調査に関する事項」と「耐震診断調査に関する事項」を重要事項として建物の購入者等に説明することを義務付けました。
4.法令に基づく制限をしっていますか。
建物を建築する場合には、建物の種類や大きさなどを制限する都市計画ほう・建築基準法をはじめとしてたくさんの法令があります。予定する建物を建築することができるか、物件の所在地を管轄する市区町村の建築課などに問い合わせてください。
5.マンションを購入するときは。
■入居者の評判は
住んでいる人に直接会って、住み心地や管理面等に問題がないかどうかについて聞いてみると参考になります。
■管理規約は
マンションには、戸建住宅とは違い、多くの人が同一建物に居住するため、共同生活を円満・円滑にするために、管理組合の運営に関することや区分所有者間相互の利害調整に関するルールや使用方法などについて定めた管理規約があります。
6.登記の調査。
登記された権利関係(所有権、地上権、抵当権、地役権など)を物件所在地を管轄する登記所(法務局)の登記簿で調査しましょう。不動産の登記簿は誰でも手数料を払えば自由に見ることができます。さらに、公図(土地の地図台帳)も閲覧できますので、道路状況、隣地との関係などを確認しましょう。

契約締結 いよいよ大詰め、慎重な決断を!

1.契約を締結するときの心構え。
不動産の売買では、売主と買主が対等の立場で契約を締結し、お互いに債務を負います。したがって、いったん、契約書を作成すると、それ以降その取引は契約書の記載内容に従って進められ、将来、取引について紛争が生じたときは、契約書の約定に基づいて処理されることになります。
2.手付金等を支払うとき。
売主が宅建業者の場合は、手付金や中間金を支払うとき、その額が一定の金額を超えるときは、保証書の控えを交付するなどの保全措置を講じることが義務付けられています。
この措置は、業者が倒産したなどの不測の事態が発生したときでも、買主が支払った手付金等について、その返還が受けられるようにするためのものです。
3.手付金の上限。

宅建業者が売主の場合は、売買代金の20%を超える額の手付金を受領することはできないと規制されています。

売主が宅建業者でない一般の取引の場合は、(1)手付金等の保全措置の義務や(2)手付金の上限額の制限は適用されません。

決済引渡 残代金の支払いは登記が移ることを確認!

1.決済・引渡しとは。
【決済】
買主が売主に売買代金(残代金全額)を支払うことをいいます。
【引渡し】
売主は売買代金受領と引換えに、買主へ物件を引き渡し、買主のために所有権移転登記の申請手続きを行うことをいいます。
2.事前準備と事前確認
【事前準備】
  • (1)残代金の準備(融資実行等の確認)
  • (2)固定資産税等の精算金
  • (3)登記費用の準備など

※必要な金額や金種(現金なのか預金小切手なのか)を媒介業者等に確認して準備します。

【事前確認】
  • (1)境界の確認
    土地のみや戸建住宅の取引の場合、あらかじめ、決算の前日までに売主に境界標等を明示してもらい、境界を確認しておく必要があります。
  • (2)物件の確認
    設計図どおりに完成しているか(新築住宅の場合)、売買契約時に確認したことと変わってないかなど
  • (3)付帯設備の確認
    付帯設備の有無、使用可能かなど